ハウスステージングはホームステージングともいい、不動産販売の考え方や取り組みの1つです。具体的には不動産を売却する際に、物件の魅力を引き出すことで価値を高め、早期売却や価格の上昇を狙うものです。例えば魅力的な家具を配置したり、逆に綺麗サッパリに片付けやクリーニングをして、部屋そのものを見てもらう手もあります。年末のクリスマス時期に、クリスマスらしい飾り付けをしたり、楽しい演出をすることもハウスステージングです。

いずれにしても、ハウスステージングという考え方はアメリカだと標準的で、1970年代には既に実践する人が現れてきたとされます。ちなみに、日本では新築物件を中心に行われてきましたが、中古物件で用いられるようになったのは比較的最近のことです。注目されるようになった理由には、中古物件の流通量が増えてきて、ステージングを提供する専門企業が増えたことが挙げられます。
端的にいえば、物件を演出して魅力的に見せて、少しでも早く高く売却するのがハウスステージングです。不動産販売の手法としては少し珍しいですが、決して新しい概念ではなく、むしろ今まであまり注目されてこなかっただけです。近年だと、内覧に合わせて生活感のある家具を用意したり、購買意欲を刺激する演出が行われるようになってきています。日本では立地条件が不動産の価値を左右するので、交通や生活にやや不便な場所だと、それだけで不利になる傾向です。
しかし、ハウスステージングを活用することで、売りにくい不動産が売りやすくなったり、希望よりも高く売却できる可能性が上がります。大切なのは購買意欲を喚起する為に、どういった演出をするのが最適か検討することです。クリスマス時期のステージングポイントは、窓の外から見て温かい家庭の気配を感じさせたり、雪や雪だるまの演出でクリスマス仕様にするなどにあります。ただ、季節がズレてしまうと逆効果ですし、物件そのものの魅力が伝わらなくなるので、タイミングを合わせてシーズン仕様にすることが大事です。
視覚だけでなく、感覚や嗅覚にも訴求するように、料理を作って香りで室内を満たすアイディアもあります。ステージングポイントは沢山存在しますし、特別感を演出することによって、内覧希望や購買意欲が増すはずです。あえて大胆に照明を間接照明に、カーテンを真っ赤な色にするのもありです。ツリーは定番中の定番ですし、ライトや飾り付けの選択肢や組み合わせの幅が広いでアイディア次第で魅力的なステージングポイントになるでしょう。