
日本の2021年のマンショントレンドは、全国的に価格の上昇が見られており、都市部だけでなく地方でも同様の傾向となっています。また新築と中古共に堅調な推移を見せているので、下降傾向の地域でも大きな減少傾向にはない状況です。
今後のトレンドを予測するには未知数な部分が多いことから、常に市場に注視して価格の変動を逃さないようにしたいところです。物件の購入にしても売却にしても、今すぐに判断して決める状況にはないと思われます。勿論、急ぐ理由がある場合は別ですが、確信が持てる予測がないなら結論は急がない方が良いでしょう。ただ長期的には下落に転じる可能性がありますから、希望する購入・売却価格を決めて、タイミングを見計らうことが必要です。
2021年後半は、東京オリンピックがどうトレンドに影響するかがポイントになるはずです。マンションの需要がピークを迎えて下落し始めるのか、それとも上昇を続けるのか見極める必要がありそうです。新築に限ると、平均価格が右肩上がりに上昇するのに反して物件の供給は右肩下がりでした。これは供給戸数がピークを迎えた2013年以降に顕著で、2019年は特に前年と比べて大きな下げ幅でしたが、幸いなことに2020年は回復に転じたようです。順調にいけば2021年も供給は安定で、市場に回復傾向が見られる好材料になるでしょう。首都圏の新築マンション平均価格は、2013年の時点で5千万円弱、2014年に約5千万円、2017年には6千万円に迫りました。2018年に少し下がりましたが、2019年は2017年を上回り、2020年2021年と更に上がりそうな勢いです。
一方、中古マンションは2013年以降に急上昇していて、2016年以降は伸び率が落ちましたが、それでも2019年までリニアに伸び続けました。戸建てやアパートなどと比べても、マンションの伸び方は驚異的だといえますし、多少の上下はあるにしても全体的に見れば明らかに上昇傾向のトレンドです。となると気になるのは下落のタイミングと、一度大きく下落し始めてからの下がり方です。
しかし、下落の判断は困難で予測によってタイミングは様々ですから、いつ下がってもおかしくないと考えるのが妥当でしょう。現在物件の購入を考えている人は瞬間的に下がった時が狙い目で、売却は目標額を設定して機械的にタイミングを決めた方が良さそうです。2021年中は安定した状態が続きそうですが、2022年はどうなるか誰にも分からないというのが現状における見立てです。